相談者:40代後半、主婦・Aさん
自分でも、何不自由ない生活を送っていると思うんです。夫はやさしいし、子供たちもかわいいし。周囲からは、理想的な家族、穏やかで、当たり障りのないというか、周りからも自分はきっと嫌われてはいないと思います。
でも、自分が、どこにもいない感覚があります。なんか、どこにもいなくて(涙)。
不安で仕方ないんですけど、こんなことを言ったらひとりで頑張っている母や、友だちにも悪い気がして。ずっと自分を誤魔化しながら過ごしていたんですけど、最近は子育ても落ち着いてきて、時間ができたこともあって、毎日、今日はどうやって過ごそう、どんな自分でいよう…って不安でずっとモヤモヤして。
親からも大切に育ててもらったし、困ったことも多少はあったけど、特に多い当たることがなくて。それで、「前世」に何かあったんじゃないかな?って思って、ヒプノセラピーを探していたら、イデアさんのところがいいなって思って。
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Aさんは、日常のあらゆる場面で「正解」を瞬時に察知し、完璧に演じてしまうようでした。良き妻、良き母、良き隣人。しかし、ふとした瞬間に鏡を見ると、そこに映る自分に対して言いようのない吐き気(胃から上がってくる嗚咽)と無力感に襲われるそうです。 何に対しても情熱が持てず、趣味を始めても「誰かに見せるための自分」を演じている感覚に陥り、すぐに冷めてしまう。成功している友人を見ると、心の中にドス黒い澱のような感情が湧き上がり、そんな自分を「最低!」と自責し、さらに分厚い「善人の仮面」を被る――。
彼女が今世で抱える「原因不明の無気力」と「自己嫌悪」。その根源を探るべく、過去世へ誘導していくと、18世紀のフランス、ある劇団の片隅に置き去りにされた情熱が見えてきました。

時代は18世紀、フランス。
石畳を叩く馬車の音と、ガス灯の淡い光が、芸術の都を照らしていた。
Aさんは、お母さんと2つ違いの姉と暮らしていました。三人の生活は決して楽ではなかったけれど、家の中にはいつも希望と笑顔がが満ちていました。
母と姉のは、彼女の夢…舞台女優になるという思いを叶えるため、指先を針で傷だらけにしながら、夜遅くまで裁縫の内職をして支えてくれました。
Aさんの過去世の名前は、「マリー」と言いました。
当時の演劇界は、まさに黄金時代。大スターが誕生しては喝采を浴び、華やかな舞台は民衆にとって唯一の娯楽であり、魔法でした。
女優になるためには、名門劇団の門を叩き、厳しい徒弟制度の下で下積みから這い上がるしかなかったのですが、彼女は母と姉の協力もあり、劇団員になりました。
そこでマリーは、一人の少女と出会いました。2つ年下のエレーヌ。
彼女は、白い肌とクルクルとした大きな瞳を持った、美しい子。でも、彼女を真に輝かせていたのは外見だけでなく、泥の中に咲く蓮の花のような、ひたむきで濁りのない内なる美しさでした。
「マリー、いつか同じ舞台の中央に立ちましょう!」 と手を取り合い、台詞を暗唱し、凍えるような稽古場で共に汗を流した、かけがえのない戦友でした。
けれど、残酷なほどに、天賦の才というものは存在し、エレーヌはどんどん役をもらっていく。
マリーも負けずと誰よりも練習した。喉を枯らし、台詞の裏側にある感情をノートに書き込み、鏡の前で何千回も表情を作った。それでも、彼女に与えられるのは名前もない通行人や、椅子を運ぶ端役ばかり。
数年後、エレーヌは劇場の看板となりました。彼女が舞台に現れるだけで、空気の色が変わる。彼女はトップスターになっても、マリーを「親友」と呼び、以前と変わらぬ無垢な笑顔で接してくれました。

マリーにとって、それが何よりも苦しかった。 彼女の優しさは、私の無力を証明した。彼女の輝きの傍にいると、自分の影がより深く、醜く強調される。マリーは、エレーヌを大切に思いながらも、同時に彼女の消滅を願う自分に耐えられなくなっていきました。
25歳の春。マリーは、何も言わずに劇団を去りました。 母も姉も、それを責めませんでした。ただ、申し訳なさそうに微笑むマリーを、やさしく見つめてくれました。
「自分は、だめだった」「誰にも認められなかった」「才能がなかった」「上には上がいる」
それから、マリーの心からすべての色彩が消えていきました。生きている意味さえ、見失ってしまいました。
その後、マリーは母たちを安心させるためだけに、人生という舞台の「主役」を降り、「普通の女性」という役を演じることに決めました。 笑顔を作り、快活に振る舞いながら、縫製工場で働きました。
そこで出会った誠実な男性と結婚し、三人の子宝にも恵まれました。妻の役、母の役。
劇団での経験が、皮肉にもここで活きたようでした。彼女は完璧に「幸せな家庭人」を演じきりました。夫も子供も、私の心の中に広がる荒野など、微塵も気づいていなかっただろう・・と。
ある日、買い物帰りの街角で、ずっと見ようとしてこなかったものが目に入りました。エレーヌが主役を務める公演の看板でした。
スポットライトを浴び、神々しいまでの美しさを放つ彼女の姿。その瞬間、マリーの腹の底から、形容しがたい感情がせり上がってきました。 激しい憎悪、殺意。そして、彼女の喉を締め上げ、その光を奪い去りたいという、醜悪な欲望。
(これが、私……?)
仮面の下に隠していた「本当の自分」の正体を知り、マリーは愕然としました。彼女はそれ以降、二度と自分自身の心を見ないように、幾重にも、幾重にも厚い仮面を重ねて生きていくことにしました。ネガティブな感情をすべて封印しました。
63歳。 マリーは肺炎を患い、ベッドの上で最期を迎えようとしていました。枕元には、涙を流す夫と子供、孫たちがいる。 「お母さんは、最高の人だった」「幸せな人生だったね」 その言葉を聞きながら、マリーの意識は走馬灯のように過去をさかのぼりました。

私の人生は、25歳で終わっていた。 その後の38年間、私はなかった。私はただ、観客の期待に応えるためだけに、完璧な「幸せな女」を演じ続けただけ。 素の自分に戻れば、あの時の殺意と絶望に飲み込まれてしまう。それが怖くて、私は死ぬまで舞台を降りることができなかった。
最後の息を吐き出す瞬間、マリーは思いました。
ああ、次は……もう、何も演じたくない。 本当に疲れた…
どんなに醜くてもいい、どんなに無力でもいい。 ただ、私として、本当の自分として、震えながらでも、そのまま立っていたい――。

でも、私、怖いです。本当に自分でいることが怖い。

自分の中の秘められた凶暴性が怖いのね?

(涙涙)そうなんです。ずっと、自分ではわかっていました。残忍な自分がいること。すっごく怖くて。そんな自分が怖くて。

きっと、その姿も仮面なんではないかな? だって誰だって「愛」でできているから。愛は形が変わりやすいの。形が変わって、残忍でいることで「愛」を守ろうとしているんだと思うの。だから、大丈夫! Aさんの本当の姿を見てみない?

(号泣)はい。見てみたいです。
セラピストは、Aさんの本来の姿が見える領域へと誘導させていただきました。
そこに映し出されたのは、「透明な、純粋な光の粒」でした。これがAさんの本来の姿です。
それは、憎悪でも殺意でもありませんでした。あまりにも純粋で、あまりにも強烈な「表現したい」という生命のエネルギーそのものでした。
かつてのマリーが抱いた殺意は、エレーヌ個人に向けられたものではなく、自分の内側に渦巻く「光り輝きたい」という巨大な情熱が、出口を失って腐敗してしまった姿だったのです。
愛が深ければ深いほど、それが裏切られた時に深い影を作るように、彼女の情熱があまりに純粋だったからこそ、同じだけの重さの絶望が生まれたに過ぎませんでした。
その光の粒は、何層もの仮面を突き抜けて、今のAさんに語りかけます。
「もう、誰かのために演じなくていい。上手になんてできなくていい。ただ、あなたがあなたとして呼吸するだけで、それは世界で唯一の、最高の表現なのだから」


Aさん、あなたは今本来の姿に戻ってみて、どんな感じ?

すっごく軽い。こんなに軽い感覚、いつ振りだろう。すっごく楽です。

その状態で、まずは今日一日を過ごすとどうなりそう?

世界が変わりそう! 見るものが全部素敵で、感謝でいっぱいになりそう!

そうしたら、Aさんのご家族や友だちはどうなりそう?影響ありそう?

はい。みんな楽になりそう。あ、夫もいいお父さんを演じていた感じがする。だから、きっとこんな感じで楽になると思う。そうか、夫も…そうか…。

ね、聞いてもいい?Aさんはこの地球を、この世界を、どんな世界にしたくて生まれ直してきたの?(この摩訶不思議な質問も、本来の姿に戻ると容易に回答があるので、毎回不思議です)

ありのままを磨き続けるため…ありのままを表現するため…に生まれてきた感じがする。

うんうん、いいね!Aさんはきっと、ありのままでいても、誰もが受け入れられる世界、ありのまま表現することでどんどん軽くなる世界を創りに来たんだね⁈

(号泣)…そうです。そうです。。すっごく胸が熱い…
胸が熱くなるのは、魂が喜んでいるから。「そう、それだよ、それ!」って、鼓舞しているから。
厚い殻、幾重もの仮面の中から、本来のAさんの光が漏れ出した瞬間に立ち会わせていただいて、ありがとうございます。
本当にいつも思います。この瞬間って、セラピストの役得だなって。
Aさん、ありがとうございました♡
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